黄泉がえり    

 3週間限定公開という珍しいプロモーションが幸をそうし、早々と公開延長(ちょっとずるい・・・)。そんな、邦画には珍しいヒットの仕方が話題な本作。私的にはなぜこの作品が口コミでこれ程広がるのが今一謎。もともと設定に無理があることは、承知の上で作っている思い切りは伝わってきます。細かい科学的な説明はほったらかして、その現象自体に人々がどう関わっていくかに物語を絞っている。そういう方法論で人の心情にクローズアップしようと努力した跡が見受けられます。ただしそういった割り切りを見せた割には、登場人物を多くしすぎた感がある。せっかく焦点を絞って作った時間を、また自分自身で散漫に使うという自己矛盾をおこしていて、どうもまずい。ここはもう主人公達だけにお話を限定した方が、よっぽどに詰まった物語が作れたような気がしてなりません。それに後半のRUI(柴崎コウ)の歌シーンが三曲分あるのはやっぱりちょっと長いです。PVじゃないんだから。設定も良いし、キャスティングもいい所いっているのに、肝心要の時間構成がそれを潰す方向に動いているので、もったいない気がした作品でした。

夜を賭けて    

 戦後の動乱期。バラックで暮らす朝鮮人達の熱く、逞しい生活の姿を描いた作品。出てくる役者人が一癖も二癖もある人たちばかりで、 画面から匂い立つ程の空気をありありと演出しています。余りに汚い台詞と画面の応酬でちょっと食傷気味になるほど。この時代に この作品を描くことに大きな意味合いがあるのでしょう、それを多少押し付けがましく表現する台詞がちょっぴり多め。「日本人に いい奴は百万人に一人」とか「いつかは仲良く出来る」とかね。まぁメッセージは伝わってきます。ただ、山本太郎以外の 大阪弁がまるでなってない。一言一句間違ってるって感じです。ちょっと聞くに堪えないとしか言いようが無い。ここがネックとなって個人的に お話にまるで入り込めませんでした。ちょっとはまじめに勉強して欲しいものです。無理かな・・・。


 この映画は結局なにが主題なんだろう?女性の心情?人生の厳しさ?男女の出合い?そのどれもが違うような気がする。テーマが全く見えてこず、ただ局面局面でのストーリーを描いていると言う感じ。恋愛ドキュメントと言った様相です。主演のカトリーヌ・ドヌーヴの演技は真に迫っており中々凄いのですが何が言いたいのか全く分らないお話なので、彼女のおこす奇行がどうも空虚に思えてしまう。その他出演者の台詞、行動諸々よく分らない、というより映画として意味があるのか?と思える部分が多々ありどの辺を楽しめばいいのか分りませんでした。この作品を理解するには私の人生経験が浅すぎるのか?とも思えるほどでした。私が男性だからかな?

約束   

 個人的にかなり期待していたタイトルだったんですが、其れ故それなりに楽しかったんですががっかり度も結構高かった。口のきけない痴呆老人と小児癌にかかった少年の世代をこえた友情を描いた作品。少年のパワーの有る演技には中々高得点を与えたい。ホントに見てる方まで鬱陶しくなるような元気さには圧倒させられます。老人のブラックな視点も単純に笑える。正直言って中々いいシーン目白押しなこの映画。サッカーのシーンも写真のシーンも最後の海岸のシーンも。いいんです、ホントに。でもなんだか感情に乗り切れなかった。最大の難点はどうもカメラのスイッチングのテンポが悪いと感じる所。これは人各々違うのでしょうが私にはそこで切り替わって欲しい所やもう少し粘って欲しい所がちょっとずつずれていて、どうもフラストレーションがたまりました。映像の点ではかなり美しくそちらを優先しているという感もしますが、物語として裏目に出てしまっては本末転倒のような気がします。かなり高得点を得られる要素が多々あっただけにもったいないと思われた作品でした。