◆正しい危機管理
とにかくマニラ市内は治安が悪い。アロヨ大統領時代になって治安改善策が次々うち出されたものの、さほどの効果は上がっていないそう。以下に心にとめて置くべき重要な事項を挙げておく。
一人歩き厳禁
夜間はいわずもがな、日中も一人で出歩くのは自殺行為。必ず多人数か、現地人ガイドと共に歩く事をお薦めする。
集中ロックなんぞ無い
タクシーに乗った場合必ず自分でロックをかけること。目的地についた瞬間、扉を開けてチップをねだろうとする輩が山ほどいる。それと信号等の停車中、扉を外から開けられバックを奪われるという事もあるらしい。
電車は乗っちゃダメ
市内には電車が走っているが、普通っぽい外見とはまるで違い犯罪の温床になっているらしい。「乗ると死ぬよ」と言われた。
些細なことでも警官と関わらない
フィリピンには徒党を組んだギャングやヤクザ等はいない。なぜなら警察がそれに非常に近い存在だからだそう。どういう事?
$100ポッキリ
ウソかホントか$100出せば熱い人殺しになる人間がワンサカいるらしい。
―これぐらいは事前の心構えとして知っておいて損はない事。
勿論、犯罪対策として何処も何もしていないわけではない。ショッピングモール等には必ず金属探知とバックの中身のチェックが待っている。私の泊まったホテルには、ロビーに爆発物探知犬までいた。「ちゃんとしてるなー」と思う反面、「そこまでする必要があるのか!」とも思うと空恐ろしくなる。 こう聞くと最悪な環境と思われるかもしれないが、ちゃんと気をつければ全く問題なく楽しく遊べる場所だと言う事も付け加えておく。

◆正しい袖の下の渡し方
フィリピンのすごし方の基本原則、『全て金で解決できる』という事を覚えておくべき。最後に私が実際体験した日本ではありえないお話を一席。

 我々が帰国の途につくほんの数日前、南方の島のダバオ国際空港で爆弾テロが発生。我々が滞在している島とは全く関係ない場所なのだが、ご時世がご時世だけにマニラ国際空港(ニノイ・アキノ国際空港)にも厳戒態勢が敷かれていた。当然荷物のチェックに時間がかかり、通路は人の列が何処までも続くありさま。あせってもしょうがない我々は、ゆっくり自分達の順番が来るのを待っていた。でも私には一抹の不安が。なぜなら私の手にはスーツケースと別に、大きなダンボールで包まれた荷物が。この中にはフィリピンで手に入れたプラスティック製の巨大なレリーフが入っていた。あまりに慌しいスケジュールだったため、購入先からインボイスを発行してもらう暇もなかったのだが、「まっ、なんとかなるだろう」とたかをくくっていた。
 ついに私の順番。X線のスキャンを通した瞬間、案の定係員に呼び止められる。開口一番「開けろ!」と年配のおじいさん係員。もう一人のおばさん係員はフレンドリーに「日本人?」。見事なアメとムチのコンビネーション。とりあえずスーツケースを開けて中に何も危険物が入っていないことをムチのおじいさんに告げる。アメのおばさんは「カメラが武器に見えたのね〜」なんて笑ってる。でもムチの方が納得せず決定的な一言を。「このダンボールを開けろ!」。私はやれやれと思いつつ一応抵抗してみる。「これはプラスティック製のレリーフでビジネスサンプルです。X線でスキャンしたら金属のパーツが入ってないのが分かるでしょ?」と。「ダメだ。開けないと分からない」とムチの弁。ダンボールは厳重に梱包されているので、何としても開けるのが嫌だった私は「じゃぁ開けたあと元に戻すテープとか梱包材を貸してくれるのか?」と言うともちろん答えは「NO」。暫く押し問答が続く。でも良く見ると両係員とも一向にパッケージを開けようとする気配がない。なんだか変な感じと思っていると、アメおばさんが眉毛を吊り上げなにやら私に目配せを送っている。私は心の中で「そうか・・・そういうことねっ・・・」と。
 私はやおらポケットに手を入れ100ペソ札(日本円で220円くらい)を取り出す。ムチ担当が強気に横に顔を振る。私はさらにもう一枚100ペソ札を取り出して見せてみた。ここでアメ担当の笑顔がこれ以上ないくらいほころび、顔を縦に振り出す。で、それをムチ担当おじいさん係員に渡そうとすると、なぜかまた顔を横に振り否定の仕草。私が困惑していると、アメ担当おばさん係員の方があごで床を指し示す。「床に置け」と言っているらしい。黙って合計200ペソを床に置くと、今までモッタリしていたおじいさんが目にも止まらぬ速さでそれを拾い上げ、手のひらを返したように笑顔になり「行ってよいよ!」だって。つまりは直接手で受け取るとやばいので、床に落としたモノを拾ったんだという口実を作りたかったようだ。
 ここでワンポイントアドバイス。こいう場合に限らずチップ等を払う局面でも、当然のことながら財布から直接お金を渡さないように。両替した小額の紙幣をポケットに小分けに入れておくのが鉄則。フィリピンの平均月収は工場のワーカー(労働者では結構いい給料をもらえる方のひと)でだいたい4000〜5000ペソ(1万円くらい)。私はこの時財布に10000ペソぐらい入っていたので、現地の平均月収の実に2倍!つまりは60万円くらいの現金を持っていることになる。そんなの見せたらもちろんの事もっとたかられる・・・失礼、もっと床に落とせと言われるのは目に見えている。もちろん200ペソも労働者一人分の日当に匹敵する額だってことも忘れちゃならない。

 こんなダークサイドが罷り通る国、フィリピン。いかがでしょうか?何度も言うようだがルールを守り、安全に気を配って行動すれば素晴らしく楽しいフィリピンライフを体験できる。怖がらずに飛び込んでみよう。




こんな高層ビルの下を見ると・・・



こんなトタン屋根のバラックだったりする



マカティー地区。ここだけは治安も良く日系企業が集中している